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大山崎山荘美術館



「谷崎潤一郎文学の着物」はアンティーク着物だけではありません。
小説の挿絵をもとに再現された着物もあります。
『細雪』のために小倉遊亀が描いた着物はもみじの絵柄。
帯には さみどりの蝶々が飛んでいます。

This exhibition includes the reproduced kimono also
based on novels of Junichiro Tanizaki or their illustrations.
For example, the below kimono and obi sash
were born from this illustration by Yuki Ogura
for The Makioka Sisters of Junichiro Tanizaki.



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展覧会図録より


こちらは、谷崎の『夏菊』そのままの昭和初期の着物です。
菊五郎演出の「保名」の菜の花から思いついて
小説のヒロインが画家に特別注文した、春の訪問着。
このアンティーク着物の持ち主は
歌舞伎ファンだったのか、文学少女だったのか…

Here is kimono in the early Showa period
that might have been inspired by the kabuki at that time or
by Tanizaki's novel whose heroine ordered an original kimono
with mustard flower pattern after having seen the above kabuki.


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蝶の帯や蝶の着物に見とれて庭へ出れば、
おや、山茶花にも蝶がとまっていました。

We found a butterfly on a sasanqua camellia
just like the one on the above kimono.


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谷崎が撮影した、妻松子のポートレートが忘れられません。
蘭(ろう)たけた美女とは、こういう人を指すのでしょう。

「眼でも、鼻でも、口でも、うすものを一枚かぶったようにぼやけていて(…)
じいっとみているとこっちの眼のまえがもやもやと翳ってくるようで
その人の身のまわりにだけ霞がたなびいているようにおもえる(…)」
― 谷崎潤一郎『蘆刈』

Here is a portrait photograph of Junichiro Tanizaki's wife
taken by the writer himself. How graceful and refined !



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この展覧会は12月2日で終わりましたが
まもなく櫛とかんざしの展覧会が始まります。
優雅な喫茶室でいただいた、作家好みのモカ・ロール。
テラスに出れば、『蘆刈』に綴られた山崎の風景がひろがります。

A mocha roll is the original cake for this exhibition.
The author liked this type of cake in the Showa period.


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明治時代以降、化学染料が普及しました
The chemical dyes have become popular since the Meiji period.
The mauvaine was discovered by William Perkin (1838–1907).





モガといふ言葉も知らぬヒロインにぴつたりもつちりモカ・ロールかな

a mocha roll
reminds me of a heroine
of his novel
who was a forerunner of
the "moga (modern girl) "


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またの名は“スイス・ロール”(Swiss roll)

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色とりどりの紅葉&お気に入り秋ショット2018!




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by snowdrop-uta | 2018-12-10 15:45 | 本棚から(book) | Comments(7)

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大山崎山荘美術館


マッサンこと竹鶴正孝はNHKドラマ(2014年後期)の主人公。
このマッサンとおなじくヨーロッパに遊学して帰国後山崎に住み、
マッサンによるニッカヰスキー創業に参画した人物がいます。
実業家、加賀正太郎(1888-1954)。彼の別荘が大山崎山荘です。
加賀は晩年、ニッカヰスキー社の株を
朝日麦酒株式会社(アサヒビール株式会社)の社長に託しました。
この縁から、アサヒビール大山崎山荘美術館が誕生しました。
ウィスキーとビール、二つの琥珀の夢が一つになりました。

Snowdrop and her friend visited Asahi Beer Oyamazaki Villa Museum.
Here is the history of the museum in English →



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「マッサン 鳥居 琥珀の夢」の画像検索結果


山本耕史演じる「マッサン」も登場(左)(google search)


なお、テレビ東京系の4Kドラマ「琥珀の夢」の主人公のモデルは、
寿屋(サントリーウィスキー)創業者の鳥井信治郎です。原作の
伊集院静『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』は日本経済新聞に連載されました。

Amber Dream is the title of the TV drama in 2018
whose original is a serial story in NIKKEI.



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大山崎山荘美術館を久しぶりに訪ねました。お目当てはアンティーク着物の展覧会です。
着物姿の観客もちらほら。ミレーの「落穂ひろい」の帯を締めた女性も!(写真は無し)

We enjoyed the exhibition of kimono
in the novels of Junichiro Tanizaki.
There were several visitors in kimono.
(e.g. obi-sash with Millet's Gleaning-design! no photo…)



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美術館というより、山荘の紅葉の宴に招待された気分です。
加賀正太郎はウィンザー城を訪れた際に眺めたテムズ川を偲び、
木津、宇治、桂の三川が合流する大山崎に土地を求め、1912年に着工。
二度の工事を経て、完成したのは1932年頃とされます。

木骨を見せるハーフティンバー方式、イギリスでもよく見かけました。

We felt as if we had visited a villa in Tudor style rather than a museum.
(My friend and I have traveled in England and Scotland in 1990s.)

On the architecture of the museum →


「ももさへづり チェルトナム村」の画像検索結果


ロンドン近郊、チェルトナム村の木組の家(Cheltenham, England, 1997)



こちらは庭園から見た山荘です。
広い庭に紅葉があふれ、オブジェが置かれて、野外美術館の趣きです。

The villa seen from the garden.
The garden is like an open-air museum.


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バリー・フラナガン《ボールをつかむ鉤爪(かぎづめ)の上の野兎》
Barry Flanagan “Hare on Ball and Claw”


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フランソワ=グザヴィエ・ラランヌ《新しい羊たち》
François-Xavier Lalanne “Les Nouveaux Moutons”



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邸内からは、秀吉が一夜で建てたという宝積寺三重塔が見えます。
そして、広々としたテラス!
木津、宇治、桂の三川が合流する山崎の大パノラマを一望できます。
気分は山荘の招待客から、陣を構える戦国武将へ!

From the inside of the villa, you see
the pagoda of Hoshaku-ji Temple related to Toyotomi Hideyoshi.
And from the wide terrace, you enjoy
the panorama of Yamazaki where three rivers join.
We now feel as if we had been samurai taking up our positions!


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はるか背割の堤に並んだ桜紅葉が見えるでしょうか。
今年の台風で倒れた木もあるそうですが…
手前に広がるのは山荘の庭園の紅葉です。
どこにピントと色を合わせたらいいか、迷ってしまいますね!

Here is a scarlet panorama…

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この眺めが楽しめるテラス席の佇まいとお菓子、そして
展覧会の着物については12月10日にお話しします。
安藤忠雄設計の「夢の箱」(新棟)はこの記事の中ほどに。↓




(To be continued)

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色とりどりの紅葉&お気に入り秋ショット2018!








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by snowdrop-uta | 2018-12-06 20:03 | 美術に寄す(fine art) | Comments(0)

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朝空につぶらな瞳とおちょぼ口ならべてみました♡うっふん楓(ふう)の実

fruits de Liquidambar styraciflua comme deux yeux ronds et une petite bouche
… un sourire dans le ciel ♡





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楓(カエデ)によく似た紅葉楓(モミジバフウ)。
大きい星形の葉と丸い実はクリスマス飾りに、
3つの実は 新春の福笑いにも使い回せそう。

Des feuilles de Liquidambar styraciflua ressemblent à celles d'érable.
Ces feuilles servent d' ormenents de Noël ☆彡 ?
Trois fruits servent de "fukuwarai" → ?




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↑散紅葉の中から青い実がひとつ覗いています。
Un fruit vert dans des feuilles rouges tombées

満天星(ドウダン)の上にもふうわりと。↓
Des feuilles sur des Enkianthus perulatus



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星の名のもみぢの上にふうはりと星のかたちの楓(ふう)は降り降る

sur des feuilles
nommé mille étoiles
tombent
des feuilles de Liquidambar styraciflua
celles en forme d' étoiles


満天星のどんと背を押す からくれなゐ





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家に帰ると、天窓になんだか艶っぽいケヤキ落葉が…
まるでルージュを引いた唇のようです。

Une feuille voluptueuse de zelkova serrata chez nous
comme lèvres d'une femme portant un rouge


シャネルのボタンも*boutons de Chanel !!

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母はシャネルのルージュが好きでしたが
snowdropはエスティローダーの匂いと潤いがお気に入り。
シャネルは昨日の朝刊の広告紙面と
エスティローダーは昔の雑誌とアレンジしてみました。
まるで「ルージュの伝言」? →

un rouge de Chanel de ma mère sur le journal d' hier et
ceux d' Estée Lauder de snowdrop sur un magazine de mode



もっと若いころの直虎(2000s)

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天窓を指さして父に「お色気ありそう?」と話しかけると
とつぜん歌い出したのは「黄色いサクランボ」!!! → 🍒

Mon père a commencé à chanter Cerises Jaunes,
un chanson sur trois jeune filles voluptueux !!!


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🐈 若い娘がうっふん 🐈 三人そろえばうっふん 🐈(スリーキャッツ)


こんな歌もありましたっけ…


白菜が赤帯しめて店先にうっふんうっふん肩を並べる 俵万智


「サラダ記念日」の画像検索結果

「白菜 台湾故宮」の画像検索結果


翠玉白菜(台湾故宮博物院)(google search)は
snowdropがかつて見た最も豪華なる野菜です…

Chou en jade, Musée National du Palais (Taiwan)
le légume le plus luxueux que snowdrop a vu!!!!!!!!

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by snowdrop-uta | 2018-11-30 06:24 | 花草木に寄す(plant) | Comments(9)

11月22日は「いい夫婦」の日です。


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うち、池玉瀾(いけのぎょくらん)、絵師どす。
江戸時代の文人画家、池大雅の妻として知られてます。
あの日、保津川で、うちが旦那さまと舟に乗ることは無かったけど
平成三十年の京で二人、舟を漕ぐ夢を見ましてん。
まだ台風が来てへん初夏の川の上、
二人とも画帖ならぬスマホも出さんと、ただ水の色を眺め、
さらさら流れる川の音を聴いてました。
なぁんもせえへん時間がこないにゆっくり流れるやなんて…

Je suis Gyokuran, une peintre.
Nous ne canotâmes pas à la rivière Hozu,
mais j' ai rêvé de notre canotage en 2018!
Sans nos cahiers de croquis ou smartphones,
nous écoutions le murmure de la rivière.


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池大雅「嵐峡泛査図屏風」(部分)
Autumnal Tints on the Arashiyama River Gorge (detail)by Taiga



夢から覚めると、隣室からさらさら絵筆の音が聞こえました。
あかん、寝過ごしてしもた!
旦那さま、今日も夜が明けるのを待ちかねて、絵を描き出したんどすな。
旦那さま、ぶぶ漬けでも召し上がらんと、体に毒どすえ!

Le susurre d' un pinceau de mon mari
dans la chambre à côté, il m'a réveillé.
Flûte! J' ai dépassé l' heure du réveil!
Tu as commencé à peindre au petit jour aujourd'hui aussi.
D' abord, tu dois boire du café au lait!


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夫婦絵師(めをとゑし:めおとえし)小舟に乗せてみたものの 水のみどりのゆくへは知らず

j' ai realisé
le canotage de deux peintres
dans un rêve,
mais je ne sais pas
où leur barque ira dans le vert d'eau



江戸時代の二人はこちら↓




jinさんの企画「2(Two)」に参加させて頂きました ★★

Merci beaucoup, jin-san!



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↑ 次回も「2(Two)」??
(To be continued)


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by snowdrop-uta | 2018-11-22 07:22 | 京近江めぐり(Kyoto, Shiga) | Comments(4)

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京都の寺町通には、古い洋菓子店があります。
どれくらい古いかって?これくらい … ^^ ↓
創業は明治40(1907)年にさかのぼります。

There is a long-established pastry shop at Teramachi Street (since 1907).
The below photo was taken in the early Showa period, around 1936.




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表は木造漆喰の白い洋館です。
まるみを帯びたショーケースと、セラドン・ブルーのタイルが洒落ていますね。
昔なつかしい風情の焼き菓子に誘われ、板硝子の扉を押して中へ…

The facade is a white European-style building's.
The rounded display case and the celadon blue tiles are chic!
Let's open the plate glass door…




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高い天井を見上げると、唐草文様の照明や
凝った字体の「開新堂」の書(明治三筆の一人、日下部鳴鶴の揮毫)
濃緑色の大理石の柱などが目を引きます。

The high ceiling and dark green marble columns,
the calligraphy (堂新開) of Kusakabe Meikaku
(one of three famous calligraphers in the Meiji period),
everything attract us.



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右側の通路を抜けると、モダンな和館に迎えられます。
ここで靴を脱いで、奥の喫茶室に入るのです。

The inner rooms are in modern-Japanese style.
We take off shoes to enter.




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秋の坪庭と桔梗の生け花とを愛でながらお茶を…
ここのロシアケーキは、やわらかなクッキーのよう。
ぶどうのジャムを舌に残して飲む紅茶はロシアンティーの味わい。

A table with a view of the traditional inner garden.
Their Russian cake is like a soft cookie.
The grape jam inside goes well with a cup of tea,
like the Russian tea!




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ふり返ると、洋間もありました。初代の奥様が茶室として用いていたとか。
聚楽壁と洋風のテーブルセットが調和してシックです。

There is a Western-style room also.
It used to be a tea room of the founder's wife.
The mud walls are Japanese juraku-kabe.



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このアーチ窓が表の店舗とつながっています。

Did she peek into the shop through these arc windows ?



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  ゆるやかに垂れる二本のリボンもて
                束ねてください姫への菓子を


  avec deux rubans tombants du plafond
                  nouez ces gâteaux pour les princesses japonaises, s.v.p.!



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宮中に納められた時期もある、すなおで深い味わいのお菓子。
家づと(おみやげ)には、カラフルなロシアケーキなどを選びました。

They used to be a purveyor to the Imperial Household.
I bought simple and nourishing cakes for my family.




テレマン「食卓の音楽」



お向かいの三月書房で求めた歌集『食卓の音楽』をひらけば、
BGMはテレマンのターフェルムジーク(食卓の音楽)で決まりですね♪
ソチ五輪のころ読みふけったロシアの本も久しぶりに出してきましょう。
ああ、これでサモワール(ロシアの湯沸)さえあれば…!

In our dining room,
I read a book that I bought at March Bookshop
Tafelmusik by Sugizaki Tsuneo.
With
Tafelmusik by Telemann,
with Russian cake and a cup of tea♪
I wish there was a samovar here!



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わが家の食卓 * our table


snowdropの友が手作りしてくれたドーナツ星雲の栞 ★
bookmark of Ring Nebura made by snowdrop's friend



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↑「星の食卓」の章の扉には、歌人みずからが撮影した夢幻的な写真 ☆彡
 杉崎恒夫は自分の撮った写真と歌とをコラボさせた本を夢見ていました。

 http://prc.nao.ac.jp/museum/arc_news/arc_news384.pdf  (photo by Sugizaki Tsuneo)

原種のチューリップの写真(snowdrop)とコラボさせて頂きます。。。


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チューリップの盃あげて寿ぎし<新春(ノールーズ)>とはいかなる祭
― 杉崎恒夫「星の食卓」より

What kind of festival Nowruz <نوروز> is,
where people celebrated the new year 
by making a toast with tulip glasses?
― Sugizaki Tsuneo, trans. by snowdrop
「杉崎恒夫」の画像検索結果

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by snowdrop-uta | 2018-10-26 18:08 | 四季の食卓(table) | Comments(8)

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(6月撮影)


アガパンサス(紫君子蘭)、またの名を「ナイルの百合」

Agapanthus, agapa anthos (love flower),
Lily of the Nile…(June)




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アレクサンドリアという紫陽花。
アレクサンドリアという葡萄。

The hydrangea called Alexandria.
The grapes called Alexandria
.



「hadrian yourcenar」の画像検索結果「alexandria grape」の画像検索結果「Taylor elizabeth cleopatra amazon」の画像検索結果


Muscat d'Alexandrie (wikipedia),
Antinous (book), and Cleopatra (film) (amazon)


アレクサンドリア、訪ねることのなかった憧れの都。
巨大な灯台と、ムセイオンと、図書館の町。
ハドリアヌス帝がアンティノウスを失った町。
クレオパトラが生まれた町。

Alexandria, the city snowdrop has not visited yet.
The city of the gigantic light house, Museion, and library.
The city where Antinous, Hadrian's lover died.
The city where Cleopatra was born.




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夜のナイル川(2010年12月)*The Nile(December, 2010)


クレオパトラの鼻がもっと低かったら… : )
:-) ヨーロッパでよく見るこの顔文字、は鼻を表すとか。知らなんだ!
↑さすが鼻の高い人種の笑顔です(右90度回転させてご覧ください)。^^

If her nose had been shorter… 
: ) instead of  :-)
Snowdrop did not know that "-" represents the nose.
That's an European smiley (emoticon) !




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鼻ぺちゃのスフィンクス * Short-nosed Sphinx


けれども、エジプトの夏は50℃超えだとか。
40℃超えを目前に青息吐息のsnowdrop…


ひぐらしの鳴く梢なら涼しかろ


いや、朝4時台でも暑い今日この頃…


仙人の棲む上空は涼しかろ
it must be cool
in the upper air
where an immortal lives

While it is over fifty degrees in summer in Egypt,
snowdrop is suffering from the heat of forty degrees in Japan.



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鶴に乗る仙人(右)(池大雅「前後赤壁図屏風」より部分)
Immortal on crane flying over Red Cliff by Ike no Taiga


おまけ ♪ リズムに乗るエジプト人
Bonus ♪ Dancing Egyptians on board


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蓮のつぼみをつけた船 * Egyptian ship with a lotus bud

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by snowdrop-uta | 2018-07-21 20:15 | 旅(東洋)(journey*East) | Comments(6)

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三室戸寺の紫陽花のような主菓子

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 宇治のあじさい寺、三室戸寺から車で北へ10分ほど行くと、黄檗山の萬福寺に着きます。ここは明の禅僧、隠元が開いた禅寺で、予約すれば普茶料理が頂けます。(上の和菓子は含まれません)
 普茶料理とは、隠元禅師が中国から伝えた精進料理で、普く衆に茶を供するという意味があります。
 このお寺は日本の文人画家、池大雅も出入りしていました。彼が普茶料理をふるまわれたらどんな風に感じたことでしょう。ちょっと想像してみましょう。…

 Here is Manpuku-ji Temple associated with Ike no Taiga. He visited this temple for the first time at the age of seven. If the Buddhist cuisine in Chinese style had been served…?


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卍文様の勾欄 * Do you find the s
wastikas in the handrail?



 おや、又次郎(大雅の幼名)が甃(いしだたみ)をすたすた歩いて来ます。年は七才。檀王法林寺(🐈)の僧、一井に連れられています。浄土宗の寺とはまったく違う、きらきらしい黄檗寺院の佇まいに興味深々の様子。いつに無くきょろきょろしていますね。くすっ。(🐈 檀王法林寺は黒招き猫伝説でも知られています)

 There walks Matajiro(Taiga's childhood name)on the pavement! He is attended by his teacher of calligraphy, Priest Ichii of Danno-Horin-ji Temple. The child is curious about the exotic precincts that is different from that of Japanese tem
ples.



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大雅(又次郎)の回想

 私たちはまず、隠元禅師をおまつりする開山堂を訪ねた。蓮の鉢が並んでいる。私が書を学んでいた檀王法林寺にも蓮は咲いていた。だが、一井先生はおっしゃった。
「蓮は仏教の花というだけやない。隠元禅師ゆかりの花どす。蓮根が食用になることを教えてくれはったんは隠元禅師どすから…」
「れんこん?」
「又次郎はんはまだ食べたことがおまへんやろなあ…」



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Monologue of Taiga

 We first visited the memorial hall of the founder of this temple, Ingen Zenji(Zen master). Many pots of lotus greeted us. Master Ichii said,
" They are not only the symbol of Buddhism but also the flower associated with Ingen Zenji, who taught us Japanese that the lotus root is edible."
" The lotus root? "
" You should not have yet eaten it. "


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 境内を縦横に結ぶ回廊を進むと、カン、カンという乾いた音に迎えられた。墨染の衣をまとった僧が木の棒を握り、大きな木の魚を叩いている。
「急ぎまひょ、食事の時間を知らせてはる」

 Walking on the cloisters, dry sounds sounded. A priest in black is beating a big wooden gong in the shape of fish.
" Hurry up, he is announcing the mealtime! "




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 私たちは、木の魚を左に眺めながら食堂(じきどう)への石段を登った。(現在、普茶料理を頂くのは、食堂の左奥の新築の建物内です)
 食堂は畳にお膳ではなく、卓子に椅子であった。箱膳が二つ置かれている。
「本来は四人で親しく食卓を囲んで、大皿から料理を取り分けます」
 食前に私たちは「五観の偈(げ)」を読み上げた。
「食事も修行の一つどす。食物が供されるまでの人々の恩に感謝し、自らを省み、体を養う薬として節度をもって頂きまひょう」
 そして、蓋が開けられた。

 

「五観の偈」(右)と「菜単(おしながき)」(左)

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 In the dining hall, a table and chairs were prepared for us. Master Ichii explained me.
" In general, four persons surround a table and share one dish friedly. "
 Before the meal, we read out five verses.
" The meal also is a training. We should give thanks to the people and reflect ourselves. We must eat them temperately as the medicine."



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「ほれ、隠元禅師が中国から伝えた普茶料理どす。これを振舞ったり、召し上がったりしながら、隠元禅師は遠いふるさとの黄檗山をなつかしんだんやろなあ。この辺の山の佇まいは、中国の黄檗山に似てるそうどす」

「Ingen zen」の画像検索結果
隠元禅師*Ingen Zenji (wikipedia)


「隠元禅師は、隠元豆や蓮根をやまとへ伝えました。せやから、普茶料理から隠元豆の胡麻和えは外せまへん。蓮根はどこに入ってるかしらん」
 私は葛かけを一口食べて、思わず顔をしかめた
「この葛かけは、不思議な香りがします。風邪引いたとき、お母はんのこさえてくれる葛湯みたいにとろっとしてるけど、香ばしいような油臭いような…」
「胡麻油どすな」

" Ingen Zenji introduced this vegitarian diet including Ingen(kidney beans), lotus root, etc. The sesame and sesame oil are used in these bean curds and this kudzu sauce. "


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「それに、これは何でしょう。さっくりした歯触りで、それでいて糸を引くような粘りのある野菜は…」
「ああ、それが蓮根どす」
「あの美しい蓮の花が散った後に、この蓮根が採れるのですね」
「滋養がありますえ。普茶料理は生臭もんを使わんでも、栄養がしっかり摂れるようによう考えられてますよって」
「魚はよろしいのですか。この蒲鉾(かまぼこ)は…」
「ほほ。それは蒲鉾もどきいいますねん。食べてみなはれ」
「あっ、長芋や!」
「お豆腐も変わってますえ。そっちは胡麻豆腐、こっちの四角い小さいんは味噌漬け豆富…中国には古くから、蘇(そ:古代のチーズ)いう珍味があるそうやけど、こんな感じやろか」

Matajiro was surprised the lotus root was edible after the flower had fallen. The pseudo-steamed fish paste was made of Chinese yam!


The mouthfeel of the lotus root, crispy and a little sticky was rediscovered by snowdrop at China town in London while her four-month-long journey far from Japanese cuisine.


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ももさへづりと桃つながり?*Do you find peach-design? (Chinese auspicious fruit)


けれども、大雅少年は”萬福”寺へ”満腹”になるために来たのではありませんでした。実は、食事よりも大事なご用があったのです。それはまた「ももさへづり*やまと編」で…

In fact, Taiga was invited to this temple not for the meal but for an important matter. (To be continued to the blog by snowdrop-nara, in July)



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雨あがり七宝焼きの香炉よりのぼる煙も異国のかをり
après la pluie

d’ un brûle-parfum d’ émail

la fumée monte

qui sent exotique,

le parfum de Chine


おまけ 🐈 BONUS 🐈 two kinds of fortune slip (Danno-Horin-ji and Manpuku-ji )

猫みくじ付 招福飴f0374041_16320874.jpg









猫みくじ
(檀王法林寺HP)
 
達磨みくじ
(萬福寺で撮影)


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あじさいショット&私の雨の日の過ごし方【PR】

ps. 今朝の地震の影響はほとんどありませんでした*We are almost unaffected by today's earthquake.











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by snowdrop-uta | 2018-06-18 20:45 | 四季の食卓(table) | Comments(7)

立夏 * AUJOUD'HUI


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渡月橋から見下ろす
桂川

楓の子ども
水遊び



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AUJOURD'HUI*Début de l'été*bébé érable*La Katsura


子供たち、
お腹がすいたら近江路の赤もち米のお菓子をお食べ




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子供の日の柏餅 * AUJOURD'HUI * Jour des Enfants
https://fr.wikipedia.org/wiki/Kashiwa-mochi

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新緑写真&お気に入りのお出掛けスポット!【PR】





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by snowdrop-uta | 2018-05-05 15:00 | 花草木に寄す(plant) | Comments(6)




五月が近づくと、シューベルトの「美しき水車小屋の娘」が聴きたくなる。

Das Wandern ist des Müllers Lust, das Wandern♪(to the rhythm of a water mill)



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十数年ぶりに見た松尾大社の山吹。四月半ばなのに、すでに満開を過ぎ、人はまばら…。
水車は止まったままだけれど、油風(あぶらまじ=晩春の海風)を思わせるそよ風に、金の花がゆれていた。
山吹の別名は、面影草。

Japanese rosea in Matsunoo-taisha Shrine in the middle of April.
While the water mill was at a standstill, yellow flowers were swaying in the spring breeze.
Japanese rosea is called "omokage-gusa (face-like flower)" also.


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金いろの花枝ゆらす春の風かなしく匂ふ君の面影
omokage-gusa d' or
dans la brise printanière

c' est ton image,
"omokage" d' or
que je manque



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京都府立植物園でも水車を見かけた。うすむらさきの辛夷がきれいだった。
紫木蓮も、しだれ桜に寄り添うように花ひらいていた。

Here is another wind mill in Kyoto Botanical Garden.
Light purple flowers of magnolia kobus were beautiful.



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マグノリア白しかしらぬ北国の君へ届けんむらさきの花
magnolia,
que une Suédoise sait
celui blanc seulement
je t' envoie
ceux violets et mauves



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水車小屋の娘は村一番のお嬢さま。小麦を挽く水車は、お金持ちのしるしだったから。
さすらいの青年詩人は娘に詩を捧げ、恋のひと夏を過ごす。
やがて秋が来ると、美しい娘は、たくましい狩人に心を移してしまった。


A "schöne Müllerin" is a daughter of the richest family in a village.
The water mill for grinding grain into flour was a symbol of the wealth.
One young poet devoted his poems to one Müllerin and fell in love with her during one summer.
When autumn came, she dumped him for a robust hunter.



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美しき水車小屋にあこがれ、白アスパラガスをなつかしむ(2017年のイースター)

I long for a water mill and miss white asparagus in Germany.






この青年詩人が、あの悲しい「冬の旅」(シューベルト)に出たのだろうか…それは分からない。

This young poet is the same person as that traveler in Winterreise ?



山吹のもう一つの別名は、鏡草。

Still another name of Japanese rosea is "mirror flower".


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水鏡

Japanese rosea looking at its reflection in the water


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by snowdrop-uta | 2018-04-29 06:40 | 音楽に寄す(music) | Comments(11)

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二十年(はたとせ)前、母と訪ねた平安神宮の桜、今年ひさびさに見に行きました。(三月下旬)
花や昔の花ならぬ…花は昔どおりの花ではありませんでした。『細雪』や『古都』を彷彿とさせる紅しだれ桜は若木に替わり、池畔の桜も勢いを失っていました。あれは一期一会の花見だったのですね。

The weeping cherries in Heian Jingu Shrine in March that I appreciated with my mother around twenty years ago…. The cherry blossoms were not what they had been. The cherry trees referred in The Makioka Sisters by TANIZAKI Junichiro and The Old Capital by KAWABATA Yasunari, some of which were replaced by younger ones and some have lost vigor. That cherry-blossom viewing was an once-in-a-lifetime experience.


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康成のさくら潤一郎のさくら母と一緒にはるかな空へ

母と見し(おほ)き桜は代替はり若木の奥に四十雀鳴く

le grand cerisier
que je vis avec ma mère
est succédé
par un jeune cerisier
auquel fond chante un mésange


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「夕空にひろがっている紅の雲」(『細雪』)の紅枝垂(三連パノラマ)


二十年前のアルバム。その日の桜の花びらも貼りこんで…(アナログ!) お時間が許せば、冒頭の二枚の写真と同じ構図を探してみてください。

「西の廻廊の入り口に立つと、紅しだれ桜たちの花むらが、たちまち、人を春にする」―『古都』

今なら、詩的なこの一節を書き写すかもしれません。継ぎ紙の便箋を見つけたのは、嵐山だったか、嵯峨野だったか…。

Here is my book of photographs twenty years ago with the citations from the books of the above authors and with the petals we picked up that day. Do you find two photos whose compositions are the same as those of the above photos (March in 2018) ?



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白虎池と菖蒲


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臥龍橋とも呼ばれる飛び石(手前)と茶室(右)* steppingstones and a tea house (right) 



「茶室の下の小みちを抜けると、池がある。岸近くに、しょうぶの葉が、若いみどり色で、立ちきそっている。睡蓮の葉も水のおもてに浮き出ていた。(…)真一は先きに立って、池のなかの飛び石を渡った。(…)鳥居を切ってならべたような、円い飛び石である。(…)もちろん、老女も渡れる飛び石である。」―『古都』

この「沢渡(さわた)り」という飛び石の上で、母に写真を撮ってもらいました。とろいsnowdropにはけっこうスリリングでした!今は立ち入りが禁じられています。

My mother took a photo of snowdrop on one of these steppingstones called Sawatari (or Lying Dragon Bridge). Though Yasunari wrote "they are the steppingstones even an old woman can walk over", it was thrilling for snowdrop, a poor athlete ! One finds a signboard "Keep Out" at this spot today.



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橋殿をのぞむ


「やがて橋殿にかかった。正しくは泰平閣と呼ぶように「殿」の姿も思わせる「橋」である。橋の両側は、低いもたれのある床几のようになっている。人々はここに腰かけて休む。池ごしに庭のたたずまいをながめる。」―『古都』

母と一服した橋殿(泰平閣)の上。今年はここで、フランスからの旅行客の写真を撮ってあげました。スマホ慣れしていないsnowdropには難しくて……ボン・ヴォヤージュ(よい旅を) !

On Hashi-dono, where we had taken a rest, I took a photo of French travelers. It was difficult for me to operate a smart phone ! Bon voyage !


橋殿から池のなかに庭のたたずまいを…

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池のうへ泰平閣に風わたりアッセ・ソンブル(ヒンヤリ暗イ)と旅人の声

au Hashi-dono
sur l’ étang

la brise souffle,

un voix d’ un des voyageurs

“assez sombre



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同じ桜を、違うアングルから ↑↓*the same cherry tree from different spots

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「橋の向うに、うちの好きな桜があります」「ここからも見える、あれね」
その紅しだれは、もっともみごとであった。名木としても知られている。枝はしだれ柳のように垂れて、そしてひろがっている。その下に行くと、あるなしのそよ風に、花は千重子の足もとや肩にも散った。」―『古都』

The heroine of The Old Capital loves this cherry tree best. ↑↓


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「(…)まことに、ここの花をおいて、京洛の花を代表するものはないと言ってよい。」

これは『古都』に引かれた『細雪』(谷崎潤一郎)の一節です。『細雪』では、登場人物の幸子が、平安神宮から帰って歌を詠みます。

「ゆく春の名残り惜しさに散る花を袂のうちに秘めておかまし」

夫の机の上の書簡箋の余白に鉛筆で走り書きした歌。明くる朝、この歌のあとへ、夫の手で次のような歌が記されていました。

「いとせめて花見ごろもに花びらを秘めておかまし春のなごりに」

夫貞之助の目には、春の装いの四人姉妹が、花そのものと映っていたのでしょう。それは、いずれ思い出に変わってしまう花……先取りされた追憶でした。

In Junichiro' s novel, one of Makioka sisters and her husband composed rather banal waka. Their waka represent the nostalgia in advance, the memory of the sisters in the livery of spring just like the ephemeral cherry blossoms.



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疎水に散る桜 * falling petals on the water


ちらちらてふ言の葉どおり花びらは散るよ重さも涙もなしに

volant au vent
des pétales de fleurs de cerisiers,
ils tombent
sans poids
sans tristesse



関連画像


おまけ*映画「細雪」(市川崑監督)(上)とNHKドラマ「平成細雪」(下)(google search)
Bonus*The Makioka Sisters directed by ICHIKAWA Kon*Do you find KISHI Keiko?(upper figure)
The Makioka Sisters in the Heisei period (2018, NHK) (below figure) (All Rights Reserved)


「NHKドラマ 平成細雪」の画像検索結果



春の桜ショット&私のお花見弁当【PR】
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by snowdrop-uta | 2018-04-06 20:40 | 本棚から(book) | Comments(8)

*雪ごもりした小鳥がまねる百の鳥の歌…* (All Rights Reserved)