2024年 12月 09日
雪の偶然 * 境界を超えて
核の冬の時計おそれし幼(をさな)の日人類の午後の今はいつなる snowdrop (島田幸典さんの歌評より詠める)


鼎談者のお一人、菅原百合絵さんの静謐なる時事詠もどうぞ。 詞書には、2020年3月フランスのコロナ禍によるロックダウンと これを「戦争状態」と称した仏大統領の言葉とが綴られています。
雪解水ローヌへそそぐ弥生尽どの家も戸を鎖してしづもる 菅原百合絵


「吉川宏志歌集『雪の偶然』を読む会」(京都)へ出かけました。
対談・鼎談をなさった歌人・俳人の著書のうち三冊の装幀が
雪のような白であったのは「偶然」でしょうか。
(『雪の偶然』の装幀は野田和浩氏、ご出席でした)
吉川宏志さんと堀田季何さんの対談「累卵の時代の短歌と俳句」は
堀田さんの『俳句ミーツ短歌』ならぬ「歌人ミーツ俳人」!
吉川さんの『雪の偶然』と堀田さんの『人類の午後』が
お二人の間で交互に読み解かれてゆくのが、とてもスリリングでした。
作品へのリスペクトが短歌と俳句の境を軽々と超えて響き合います。
snowdropはこの二冊を、別々の年に読んだのですが
それぞれの衝撃が、時を超えて重なり合い火花を散らす気がしました。
配布資料から、独断で一首ずつ引かせていただきます。
一例ですが…(Filippo Lippi, STELLA)


吉川さんの『雪の偶然』(pp.138-9)の
ハマスホイ展からコロナ禍の時事詠への移りゆきも印象深いです。
ポスターにうしろすがたの女立つ さっき見た絵を濡らす時雨は 吉川宏志
(二首おいて)
隔離する部屋にシーツは広げられ死にたるのちはそのままくるむ 吉川宏志
どこかにある最も赤いひがんばな どこまでも追ふげんげ田の赤 snowdrop(大森静佳さんの歌評より詠める)
浄瑠璃寺界隈(2010年代)
累卵の世と芸術、短歌と俳句、日本語と外国語のつながりを祈りつつ。
(All Rights Reserved)
by snowdrop-uta
| 2024-12-09 09:12
| 短歌/俳句 (tanka/haiku)





