
奈良からゴトゴト電車に乗って、香櫨園の「須田国太郎の芸術 ― 三つのまなざし」展へ🚃開催中の展覧会の情報はこちら → 🎨(兵庫県西宮市大谷記念美術館)(4月21日まで)広島の三之瀬御本陣芸術文化館(5・6月)、東京の世田谷美術館(7-9月)に巡回します。(碧南市藤井達吉現代美術館・大分市美術館の展示は終了しました)この展覧会の図録の英文を担当しました。展示パネルの英文も図録の英文に基づいています。φ (. . )

展覧会場は写真撮影が認められています。わが地元の東大寺の校倉の絵が!
開催後日が浅かったため、ゆっくり鑑賞・撮影できました。
展覧会図録は家にありますから、ひたすら絵に集中します。
なお、ブログ記事の内容には、snowdrop 個人の考察も含まれます。
(文責はsnowdrop:川上にあります)
留学前の須田の自画像。大正3(1914)年、20代前半の野心漲る風貌です。
ポップな水玉の赤い背景と、骸骨めいた手の取り合わせがシュールですね。
あるいは「死を想え(メメント・モリ)」の寓意も込められているでしょうか。
この翌年、彼は友人からボッカチオの『デカメロン』*の抄訳を借りて読み**、
さらに4年後の1919年、スペイン風邪の蔓延する地球上を日本から欧州へ渡って
西洋美術史と油彩画を学ぶことになります。
*注:『デカメロン』はペストのフィレンツェの描写で始まるイタリアの古典文学です。
**参考文献:「須田記念 視覚の現場 第4号 パンデミックと美術」(きょうと視覚文化振興財団)
マドリードにおける須田の肖像写真が図録に収載されています(須田家提供 ↑)
堂々たる若き画家!プラド美術館で現地の学芸員に可愛がられたというのも頷けます。
西洋の美術館は芸術を学ぶ学生を大切にしてくれますから…。
旅先の博物館内でスケッチをしていた、美術史学畑のsnowdropにも覚えがあります。
戦後に須田が描いた妻の肖像には重量感があり、強い意志を感じさせます。
どこか黒髪のスペイン女性を思わせる、日本人離れした風貌ですね。
隣の絵は戦時下の京都市動物園の豹。やせ細っていても精悍です。
帰国後描いたスペインの「牛」(左)に劣らずたくましい、日本の「水田」の牛(右)。
農夫がマタドール(闘牛士)に見えてきませんか。
須田は留学中、マドリッドやバレンシアの闘牛場から絵葉書を出していました。
当時珍しかったカメラで、ヨーロッパ各地の写真もたくさん撮影していました。
図録では、油絵作品と現地で撮影した写真とを、見開きで比較できます。
須田愛用のコダック及びプリマ―のカメラも、会場に展示されています。

会場のビデオによれば、須田はしばしば長男の寛氏を伴い、国内を旅しました。スペインの白い家々のパノラマよりも、瀬戸内の段々畑や家並みの風景の方が絵の素材として、画家の心にかなっていたのだとか。留学中の西洋の風景を日本に探し求めるのではなく、西洋・東洋それぞれの景色を対等に、モチーフとして純粋に見ていたのですね。


スペインの山間(左)と八幡平(右)も、須田のフィルターを通した須田だけの風景です。彼にしては白っぽい画面であるのは、雪渓を描いたためでしょう(右)。白っぽいと言えば…

有名な赤眼の黒犬も、鵜の群れも、記憶より明るく見えます(ガラスケース越しなので、写真ではぼやけていますが)。これは真っ白な壁とその照り返しのおかげでしょう。


一方、お能の作中人物は色鮮やかな装束をまとうことが多いためか、紺のパネルが補われています。洋画家なのに意外!と思われるかもしれませんが、須田は謡曲をたしなみ、能の観巧者でした。「野宮」(上左)では、シテの六条御息所が鳥居から踏み出す瞬間を、鮮やかに切り取っています。能の静謐の内にみなぎる気迫が、動かぬ絵の内にダイナミズムを表そうとする画家を魅了したのでしょうか。画家は集中力を高めるため、深夜の自宅の画室でもネクタイを締めていたといいます。

展示されていた画家の帽子に、歌人の帽子を、ガラス越しに重ねてみました。
意外といえば、須田はグリコのキャラメルのおまけの収集家でもありました。

長男の食の細きを憂ひたる画家のもとめしグリコのキャラメル
Glico caramelsbought by a painter,Suda Kunitarowho worried abouthis son's small appetite

↑ ミニチュアの鉄の舳先のゴンドラは画家のむかしの夢先案内
おまけなるおもちやは己のものだとふ画伯を紳士は親父と呼べり
"They are mine,Glico's bonus toys!" saidthe master painter,
who was called dadby his son, a gentleman

キャラメルならぬ美術館特製のコーヒーゼリーで一服しましょう(一日十食の限定品)。アイスクリーム&コーヒー豆と苦み走ったコーヒーゼリーとのハーモニーが絶妙でした。
カフェから見えるお庭もぜひ散策してみてください。須田一家を思わせる家族や兎の彫刻にも出会えます。水琴窟に耳を傾ければ、おや、近くの小学校から児童の歓声が…。

おまけ * Bonus
この日はミモザの日(国際婦人デー)の週でした。欧州には、男性が女性にミモザの枝を贈る習わしがあります。


香櫨園の街角のミモザ & 友の手作りのコサージュ
スペインもミモザを贈る週ならんスペイン村行きラッピング車が

須田はもう一度スペインで勉強したいと願いながら亡くなりました。
西班牙の再訪の夢かなはねどみ魂(たま)は天へ美(は)しき電車で

グリコのおまけコレクションの電車 🚃🚄🚈
恩師への挽歌は別ブログをご覧ください → 🦉
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