2020年 04月 20日
ふりかえりたくなる桜 🌸 fleurs qu' on veut revoir

みくるまがへし
「御車返」という和菓子をもとめました。御車返しの桜はまだ見たことがありません。
あまりの美しさに、桂離宮をつくった後水尾天皇が、牛車を返させて眺めた桜だとか。
下は後水尾天皇と同時代のアーティスト、尾形光琳の「桜蒔絵硯箱」(藤田美術館蔵)。
もう一度見たい桜をうたう文字が、蓋から硯箱へ、花びらのように散らされています。
Ce gâteau figure les fleurs qu' un noble voulut revoir tellement qu' il retourna.

(はる乃阿个本乃)(硯箱) (またや三無可多乃ゝみ濃ゝ)(蓋)
またや見ん交野の御野の桜狩花の雪散る春のあけぼの 藤原俊成
交野(かたの)とは『伊勢物語』に出てくる桜の名所です。
とすると、馬上の貴公子は天皇ではなく、在原業平ですね♡
「桜狩花の雪散る」の文字は、蓋にも硯箱にも見当たりません。
絵が文字に代わって歌の情景を表現しているからでしょう。
ここで訂正!和菓子の名は「御車返」ではなく「駒留桜」でした!
Cet écritoire représente un noble qui retourne pour revoir des fleurs.

平成最後の桜(2019年撮影、すべて初公開です)
上の和歌を詠んだ藤原俊成は平安末期の歌人。式子内親王の師にして、藤原定家の父です。
いまふり返りたい桜は、式子内親王をしのばせる、去年(こぞ)の上賀茂神社の斎王桜…。
Le noble est un waka poète Fujiwara no Shunzei,
un maître de Princesse Shikishi et le père de Fujiwara no Teika.

花をまつ面影見ゆるあけぼのは四方のこずゑにかをる白雲 式子内親王 続千載集

いま桜咲きぬと見えて薄ぐもり春に霞める世のけしきかな 式子内親王 古今集

式子内親王も花曇りに心惹かれていたのでしょうか。snowdropとおなじく…
あをぞらの桜好みし母さまとあふぎし花は白銀(しろかね)ざいく snowdrop
fleurs de cerisier
je vis avec ma mère,
qui aimait
celles avec le ciel bleu,
elles furent argenterie
竜安寺(1998年の桜をふりかえって…)

上賀茂神社の斎王桜、あと一回つづきます
(今度こそ「花かくし」)
桜の記事は5月までつづきます。

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