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稲ボッチから落穂ひろいへ * from sheaves to gleaning

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柿と稲ボッチ(上)(2014年)🍎 梨と麦ボッチ(下)*sheaves of grains

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「刈り入れ人」『ブリューゲル』(同朋舎)*The Harvesters by Bruegel



麦の収穫中、畑には三角形の稲ボッチならぬ麦ボッチが立てられます。刈り残された麦は落穂と呼ばれます。
貧しい人々や異邦人たちは落穂を拾うことを認められています。
ミレーの「落穂拾い」の光景はフランスの農村だけでなく、ヨーロッパやエルサレムでも古くから見られました。

During the harvest, the shealves of grains appear both in Japan and in Netherland, Jerusalem, etc.
Poor people and foreigners were permitted to access the fields of others to collect grains left on the ground.


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「落穂拾い」Des glaneuses de Jean-François Millet 『ミレー』同朋舎



 ミレーの「落穂拾い」は何度か来日しています。この絵は『ルツ記(旧約聖書)』を下敷きにして描かれました。
 貧しいモアブ女性ルツは、夫を亡くした後も親元に帰らず、姑ナオミの故郷へ同行し、落穂を拾って生計を立てます。
その一途さがボアズの目にとまり、彼の畑で落穂を拾うよう誘われます。ルツもボアズの人間性に惹かれ、二人は結ばれます。
彼らのひ孫は、あのダビデ王(↓wikipedia)!


「david michelangelo」の画像検索結果


The Gleaners by Millet is popular in Japan also. The subject of this painting is based on The Book of Ruth in The Old Testament.
Ruth Moabite did not return to her parents but followed her mother-in-law Naomi to Bethlehem.

She worked diligently in a part of the field which were properties of Boaz. Boaz gave attention to her and they fell in love.
They married and became the ancestors of David and Jesus Christ.



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↑ 梨の木の根の上でパンを切る農婦(左端) 
* ベツレヘム近郊の麦刈り(右下)


去年(こぞ)の麦でこさへたパンだよ一年(ひととせ)の時のめぐりを孕んだ麦で

c'est le pain quotidien
que nous ont fait
avec de farine de blé
faite de blé d' an dernier
contentant quatre saisons


「パン   ももさえずり」の画像検索結果



 「ルツ」は「うるおい」という意味です。日本人ならさしずめ「潤子」でしょうか。
 カズオ・イシグロの『日の名残り』に出てくる、ユダヤ人という理由で解雇されたメイドの一人が
「ルツ(英語読みでルース)」という名前でした。
西洋では、聖書から引いた名前は珍しくありません。たとえば「マタイ」を英語読みすると、マシューになります。
 
 Ruth means Moisture in English. It was the name of one of fired Jewish maids in The Remains of the Day.
You know, there are lots of names from Bible, for example, John, Matthew, etc.



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(2018年)



『レ・ミゼラブル』で知られるユゴーの詩「眠るボアズ」の結びを、拙訳でどうぞ。


細くくきやかな三日月が闇に咲く花々のなかに、
西の空に、輝いていた。ルツは心のなかで問いかけた

ヴェールの下、じっと動かない半びらきの一つ眼
どんな神が、永遠なる夏のどんな刈り入れ人が
通りすがりに、無造作に投げ出したのでしょう
星々の畑のなかに、あの金いろの鎌を
― ユゴー「眠るボアズ」

(…)
Le croissant fin et clair parmi ces fleurs de l'ombre
Brillait à l'occident, et Ruth se demandait,

Immobile, ouvrant l'oeil à moitié sous ses voiles,
Quel dieu, quel moissonneur de l'éternel été,
Avait, en s'en allant, négligemment jeté
Cette faucille d'or dans le champ des étoiles.
― Booz Endormi, Victor Hugo



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繊月(2017年撮影)

(All Rights Reserved)

おまけ*マシューとアン

「mathewAnne of Green Gables」の画像検索結果
「マシュー 赤毛のアン」の画像検索結果

Bonus*Matthew and Anne

(google search)







Commented by pikorin77jp at 2019-10-08 09:05
稲ボッチ、、、こちらでは 藁ぼっちと呼ばれます。昨年 藁ぼっちの写真を撮って義母に見せたら 義母はとても気に入ってくれて 今も写真が義母の部屋に飾ってあります。農家の人たちの苦労の結晶 藁ぼっち。落穂ひらいも貧しい農婦たちの絵だと数年前に知りました。今朝はぐっと気温が下がり 今日から長袖きています。
Commented by milletti_naoko at 2019-10-08 21:57
熟れた柿と刈り取られた稲、秋らしい美しい風景ですね。落穂拾いの背景にそういう慣習、そして、聖書の物語があったとは思いもよらなかったので、興味深いです。ユゴーの詩、いいですね。鎌を投げ出すとはと思ったら、三日月のことだったんですね! アンのマシュウはすばらしいけれど、イタリアでは今口だけで中身がないというか扇動はするれけどよからぬ方向に民を率いようとする二人のマッテーオが政治でニュースに取り上げられ、ため息です。ドン・マッテーオは好きなのですけれどもね。
Commented by snowdrop-uta at 2019-10-09 18:20
*pikoさん
稲藁の藁ぼっちですね!雀ぼっちと呼ぶところもあるそうです。
お義母さまにとっても、なつかしい風景なのでしょうか。
稲架掛け(はさがけ)もよく見かけますが
最近はたまに、ガードレールに稲架を掛けた、省エネタイプも…
ミレーの落穂ひろい、京都で見てもしっくりきました。
朝夕と昼の寒暖差が大きい今日この頃、ご自愛くださいね。
Commented by snowdrop-uta at 2019-10-09 18:45
*naokoさん
イタリアを旅していた時、柿の木をよく見かけました。
ジェラートに”kaki”味のを見つけて、目を丸くしたり、
シエナのカンポ広場で、温州ミカンそっくりのオレンジを食べたり。
落穂拾い、一種の自然享受権(北欧などで一般的。誰の所有地でも、ベリーやキノコなどを自由にとって食べることが認められている)でしょうか?

二人のマッテオ、ドラマのタイトルみたいですね。マッテオ・レンツィとマッテオ・サルビーニですか?
イタリアのニュースは何年も前から、NHKで放映されなくなって、残念です。
革ジャンのお洒落なアナウンサーも、いまは交代したことでしょう。
颯爽と自転車に乗るマッテオ神父、貴ブログで見て、忘れられません。
by snowdrop-uta | 2019-10-07 06:56 | 美術に寄す(fine art) | Comments(4)

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