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ヴェニスの紫陽花ホテル *Albergo Ortensia

やまとの紫陽花アーカイヴ * Ortensia giapponese(2016)

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梅雨明けをまたずにマダム・オルタンシアどこへおでかけ?白いお召しで

avant la fin de la saison des pluies
où allez-vous, Madame Hortensia en blanc ?



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塚本邦雄『百花遊歴』(右)(オール正字表記です!)


塚本邦雄がヴェネツィアのホテルで紫陽花を見たのは、昭和52(1977)年でした。
ヴィスコンティの映画「ヴェニスに死す」が公開されたのは1971年です。
snowdropがヴェネツィアのホテルに滞在したのは1999年の待降節でした。
一緒に旅した友人とヴィスコンティ談義に花を咲かせましたっけ。

It was in 1977 that TSUKAMOTO Kunio saw hydrangea in a hotel in Venice.
Visconti's Death in Venice had been released in 1971.
And snowdrop was staying in a hotel in Venice with her friend in 1999.



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友人と落ち合ったヴェネツィアのホテル


紫陽花のいろに煌(きら)めくヴェネツィアン・グラスのあかり水都をてらす

Venetian glass chandeliers
shining in colour of hydrangea
illuminate the city of water






塚本邦雄の本に出てきたシャンソン ♪ 仏語(左)*日本語(右)


「ヴェニスに死す」の原作はドイツの作家、トーマス・マン著。
19世紀末のヴェニス、リドのホテルには紫陽花があふれています。
これは、実はヴィスコンティ監督の演出だとか。

Der Tod in Venedig was written by Thomas Mann.
But a hotel in Lido full of hydrangea
does not exist in his original.
It is the director Visconti's idea and aesthetic.



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むらさきの紫陽花にほふ朝食の間。家庭教師(左)の麦わら帽子がユニーク!

The breakfast room with purple hydrangea. What a unique hat of the governess!


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ラムプに照らされたロビー。少年タッジオは必ずママンの隣に…

The lobby illuminated by lamps avec l'abat-jour.


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テラスにも紫陽花。左手前はサイネリアですね。
日本からシーボルトらによってヨーロッパへ伝えられた紫陽花は
さまざまな色の花紫陽花へ品種改良されました。当時の最新流行!

Hydrangea at the terrace.
The hydrangea had been brought to Europe by Siebold and breeded.
It was a la mode in Venice also at that time !



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「ヴェニス死す タッジオ ピアノ」の画像検索結果



いっぽう、音楽室にはピンクの紫陽花。
ピンクとブルーの色の取り合わせが鮮やかです。
明るい花と対照的に、憂愁に沈む主人公…
映画のアッシェンバッハは、マーラーがモデルのドイツ人。
ギリシア彫刻のような少年、タッジオに心奪われます。

Rosy hydrangea in the music room and the depressed hero …
Aschenbach is a sensitive German composer like Mahler.
He was fascinated by Tadzio, a beautiful boy like a Greek statue.



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 憂いに沈むおじさま達に紫陽花は似合うのでしょうか。
↑同じヴィスコンティの映画「山猫」には青い紫陽花が…
この館の主、サリーナス伯爵はシチリアの斜陽貴族です。

The hydrangea suits to a middle-aged man in melancholy?
The hero in Visconti's another film(Il Gattopardo), the prince of Salina
with blue (Italian national colour) hydrangea !



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ふたたびヴェニスへ…ヴィスコンティは白の紫陽花が好きだったとか。↑
手前のちょい役からも目が離せません。なんておしゃれな帽子でしょう!↑
↓下の貴婦人のお帽子の花は雛罌粟(ヒナゲシ)の造花でしょうか。
マーガレットとかすみ草のコサージュにも、そこはかとない野趣が…

It is said that Visconti preferred the white hydrangea.
Not only hydrangea but also fashionable hats catch our eyes.
These artificial flowers are the field poppy ?



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赤毛のアンはこんな帽子に憧れて、野花を麦わら帽に挿したのですね。
『ヴェニスに死す』(原作)と同時代の作品ですから、当時の最新流行!

Anne Shirley imitated a hat like the above one with wild flowers !
The decorative was a la mode in Avonlea also at that time !


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東逸子(表紙イラスト)illustrated by AZUMA Itsuko


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Commented by milletti_naoko at 2019-07-05 16:28
花を焦点に映画作品や文学作品をめぐるという趣向、興味深いです。東洋から伝わった、当時はまだまだ高価だったであろう鉢植えの紫陽花の花は、色や異国情緒だけではなく、ホテルの格式や通う客の階層も示唆していたかもしれないなと思いました。トーマス・マンの作品たちは、大学でドイツを学んだときに読もうと思いつつ、まだ読んでいません。最近は結末が苦しい、重い小説はつい避けてしまうわたしです。『悲しみよこんにちは』や『異邦人』は、内容を知らなかったからこそ、フランス語で読んでしまったのでありますが。
Commented by snowdrop-uta at 2019-07-05 20:52
*なおこさん
今では紫陽花はイタリアの公園や街角にすっかり溶け込んでいるのですね。
初めての欧州旅行が独墺で、トーマス・マンのリューベックにも足をのばしました。院試の第二外国語対策もマンに頼りました。
好きなところだけつまみ読みして、単語を覚えたんです。
今ではドイツ語は一番苦手な言葉の一つですが…(関西人はラテン系言語がお好き?)
仏文科の聴講に通っていたころ読んだ小説!ひょっとしたらなおこさんと同じペーパーバックかもしれません。

Commented at 2019-07-10 20:28
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by snowdrop-uta at 2019-07-11 07:35
*7月10日の鍵コメさん
きっと同じDVDですね~
私も塚本邦雄の本で教えられて引っ張り出して見直して
目からウロコだったんです。
紫陽花がこんなにたくさん、効果的に使われていたなんて…
そして、ご教示いただいた表紙絵にまたまた目からウロコ!!
このセーラー服ですね~! 病膏肓に入りそう…(笑)

Commented by pikorin77jp at 2019-07-12 14:50
紫陽花の演出も素敵ですが 子供たちやマダムの帽子もとっても素敵!上流階級を帽子で演出している感じがします。日本でこんな帽子していたら とっても目立つでしょうが リボンやお花が こんなにたくさん ついていても違和感ないのは やはり 気品があるからでしょうね。
Commented by snowdrop-uta at 2019-07-12 18:23
*pikoさん
この時代の上流階級のお帽子はゴージャスですよね!ドレスのラインと合っています。
10数年前のことですが、語学留学から帰国したばかりの仏文科の女子学生さんが
フランスで求めた帽子をとっかえひっかえかぶって来られて…
さすがに小ぶりでしたが、ラインが優美で、つくりがしっかりしていました。
「このド派手な帽子はどこそこで…」とざっくばらんに説明してくれましたっけ。
ド派手というほどではなかったですが、京都ではかなり目立っていました。^^
by snowdrop-uta | 2019-07-05 06:52 | 花草木に寄す(plant) | Comments(6)

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