霞か雲か * Alle Vögel sind schon da



原曲は「小鳥がみんなやって来た」(右)


舟縁へふる百千鳥(ももちどり)の囀りは万(よろづ)の花の詞なるらむ

舟べりへふる百千鳥(ももちどり)のさえずりは桜並木のことばだろうか
cent chants
de cent et mille oiseaux
tombants sur bord d' un bateau,
c'est des mots
d' allée des cerisiers ?



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背割堤(2013年)



ソメイヨシノ うるはしき花 かなしき花 ふるき桜を 偲びつつ伸ぶ


「うるはし(麗し)」ということばには、「はし(愛し)」が含まれている。
「かなし」は「悲し」「哀し」とも綴られるが、ここでは「
愛し」としたい。


The above Japanese children's song is titled Mist or Clouds
whose original version Alle Vögel sind schon da.



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吉野 * cloud-like cherry blossoms



Un cerisier se mit à rire Sans savoir pourquoi.
Les moineaux, tous à la fois, Rirent de l’entendre rire.
Le cerisier de
Maurice Carème, tanka-traduction de snowdrop


なにとなく桜は咲(わら)ひそれを聴く雀の群れも一度に笑ふ  




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鳳凰堂(2015年)* cloud-like wisteria


むかしの詩歌集で桜に続いて歌われるのは藤、山吹、卯の花、躑躅(ツツジ)…みんな花の雲になる。

Japanese waka and Chinese poem anthology arranges the poems on
cherry blossoms, wisteria, Janapese rosea, and Deutzia crenata, etc.




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松尾大社 * cloud-like Japanese rosea


スイスで蝶は「昼の小鳥(Tagvogel)」とも呼ばれる。「夜の小鳥(Nachtvogel)」は?蛾!(ヘッセ『蝶』)

According to H. Hesse, the butterfly is called Tagvogel in Switzerland. The Nachtvogel is…the moth !



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三室戸寺(2016年)* sunset-cloud-like azalea


アゲハ蝶には赤が見える。紋白蝶には見えない。
紋白蝶のメスは紫外線の色をまとう。白いオスは紫外線色のメスを探し求める。
人間には見えない、まばゆい色を。

While the swallowtail butterfly perceives the red colour, the small white cannot.
The female small white wears the ultraviolet rays invisible for human eyes.
The male small white searches for the ultraviolet-colored lover.



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ヨットのようなアオスジアゲハ*浄瑠璃寺近くの卯の花(2016年)
a common blue bottle in the clouds of Deutzia crenata


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胡蝶の和紙に「卯の花」を… * Japanese cake named Deutzia crenata

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Commented by 1go1ex at 2018-04-26 09:21
どれも、なんてきれいな写真でしょう!
見とれてしまいます。
「うるはし」には「はし(愛し」)が含まれているなんて、
ちっとも知りませんでした。
そういうニュアンスがあるのだとわかると、
「大和しうるはし」という表現からも今までと違う気持ちを読むことができます。
snowdropさんのような知識? 教養? があれば、古典をうんと深く理解し味わい楽しむことができるでしょう。
謡の詞章の理解の仕方も違うのでしょうね。
私はなかなか理解しきれません。
対訳のわかりやすい本を買おうかなと思っているところです。


Commented by snowdrop-uta at 2018-04-27 06:27
*1go1exさん
過去写真もまじえた花の雲アンソロジー、楽しんでくださって嬉しいです。
snowdropにあるのは知識よりも好奇心!
「うるはし」の「はし」って、「愛し」じゃないの?と思いついて
今年入手したばかりの『古典基礎語辞典』を引いてみたんです。
知っていることなんて、ほんのわずか…
それをパッチワークして、楽しんでいるだけなんです。
烏が色んな小鳥の色さまざまな羽を身に着けた、という寓話みたいに…

謡の詞章は、もっぱら岩波の新古典文学大系『謡曲百番』を参照しています。
恩師の愛読書を真似したのですが、現代語訳が少なくて…
ただ、出典をていねいに記してくれているので勉強になります。
たとえば「紅葉狩」の「紅葉の焚火で酒を温める」が和漢朗詠集を引いている、とか…
いい本があれば、ぜひ教えてください!
by snowdrop-uta | 2018-04-25 20:28 | 花草木に寄す(plant) | Comments(2)

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