2025年 09月 21日
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美術書(共訳)が出版されました * our art book (joint translation) was published


古典的名著にふさわしいクロスに金背文字函入りの重厚な装幀です。
中央公論美術出版の編集者の方々にも大変お世話になりました。
心よりお礼申し上げます。
The rich and solid binding suits to this classic book.
I would like to say thank you to editors of Chuokoron Bijutsu Shuppan.
上図右下のファン・エイクの絵は、ルーヴル美術館で春に熟覧したばかり。
下図の素描ともども、この本で最も感動した作品群の一枚です。
「謙譲の聖母」と呼ばれるこの構図では、聖母が画面の下半分に描かれます。
中世ではあり得なかったこうした構図には、深い意味がありました。
よく見ると、下方に位置すると思われた聖母が、じつは
高台の建物、あるいは丘の上に坐していることが分かります。
背景に小さく描かれた街や人間を見下ろし、見守っているのでしょう。
「自分を低くする者は高くされるであろう」という福音書の教えが想起されます。
ミース先生ご自身は学問的に、淡々と記述しているのですけれど。
ヤン・ファン・エイク「宰相ロランの聖母子」(wikipedia)
また、修道会によって異なる修道服の特徴(腰縄か革ベルトか)から
画中の聖人の名前をつきとめるなど、学問の面白さに満ちています。
幼稚園の絵本に載っていたマンテーニャの「磔刑図」、あるいは
初めて知った力強い”マンテーニャ文字”に胸が高鳴りました。
ルーヴルでこの春実見したマンテーニャ「磔刑図」(wikipedia)
最終章「ヴェネツィアの眠り」の聖母子や女神の麗しいまどろみ…
本を閉じるのが惜しくなります。
深い読後感が残るのは、バラエティに富んだ各章が思いがけない所でつながり
有機的なまとまりを持った一冊となっているからでしょう。
大型書店や大学図書館で見かけたら、ぜひ開いてみてください。
ジョルジョーネ「カステルフランコ祭壇画」(部分)
(wikipedia)
恩師へ
東(ひがし)西 美(は)しきものらは通ひあふ師より学べり四十(しじふ)年かけ
the West and the East,
beautiful things resemble
each other, which
I have learnt through my professor
for around forty years
学術書なのに、トリビアな話題も!( 画像クリックで読めます ↑ )
(All Rights Reserved)
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by snowdrop-uta
| 2025-09-21 05:21
| 本棚から(book)





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by snowdrop-uta
| 2026-03-06 08:06
| 花草木に寄す(plant)
2026年 02月 27日
イヴ・サン=ローランの日記帳 * jounal intime YSL(Yves Saint Laurent)
ミラノコルティナ五輪の「星月夜」の衣装(左);「アイリス」のジャケット:メトロポリタン美術館HP(右)(google search)
ゴッホの「星月夜」をモチーフにしたアイスダンスの衣装、
ギレス&ポワリエ組(カナダ)がフリーダンスでまといました。
ゴッホの「アイリス」を用いたYSLのジャケットを思い出します。
Danseurs sur glace avec costume de « La Nuit étoilée » de Van Gogh!
Veste « Les Iris » d'Yves Saint Laurent, hommage à Van Gogh!
京都駅へ出る機会があったので、伊勢丹のYSLに立ち寄りました。
化粧品売り場にはアイリスの香水!初夏を呼ぶ甘く爽やかな香りです。
トレンチコートのようにジェンダーレスに使えます(左から2番目)。
Le parfum « l'Iris » d' Yves Saint Laurent(Isetan Kyoto)!
調香紙(ムエット:muette)
福田平八郎「花菖蒲」(Iris par Heihachiro Fukuda)
スクエア(四角)の口紅にも目を奪われました。
黒く四角いケースがYSLのル・スモーキングを思わせます。
黒タキシードをジェンダーレスにしたイヴ・サン=ローラン。
宝塚歌劇のタキシード群舞を見ることはあったでしょうか。
《 Rouge Pur Couture The Slim 》, le rouge carrée!
La forme noire et carrée est comme Le Smoking!
宝塚歌劇*Scala di Takarazuka
(google search)
兵役中に心を病んだイヴ、ゲイであることをカミングアウトしていたイヴ。
戦争や反多様性の圧力は、繊細な才能の開花を妨げ、世界を貧しくします。
The war and the pressure of anti-LGBT prevent flowering of sensitive talents.
パリの一冊目の日記帳が、YSLの黒いカイエでした。
きっとル・スモーキングに基づいていたのでしょう。
つつましい旅ながら、パリジェンヌ気分に浸れたのは
歌友から贈られたこのノートのおかげでした(左下)。
Mon premier cahier à Paris, YSL
Merci, mon amie!
モーリス・ラヴェルの暮らした村でランチ(Montfort-l'Amaury)
イヴ・サン=ローランの手帳と老眼鏡デビュー花の都のアパルトマンで
mon début
d'écriture dans le cahier YSL et
des lunettes de lecture
dans un appartement
de Rue Poissonnière, Paris
イーオンの駐車場にて轢かれたるイヴ・サン=ローランのパスホルダーは
ラデュレ左岸店の喫茶室(Ladurée Paris Bonaparte)
2冊目はラデュレのカイエ(mon 2e journal, Ladurée)
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by snowdrop-uta
| 2026-02-27 06:27
| 京近江めぐり(Kyoto, Shiga)
2026年 02月 23日
初めてのカルボナーラ (間奏曲)* la mia prima Carbonara(interlude)
(google search)
ミラノ五輪で個人的に印象に残ったのは、女子フィギュアのシン・ジア選手です。
ショートプログラムとフリーとではイメージを変えてアピールする選手が多い中、
ショパンの遺作の「夜想曲」(SP)も、リストの「愛の夢」第三番(FS)も
しっとりとした世界で見る者を酔わせてくれました。
まるで土田麦僊の日本画から抜け出て来たかのよう。
あるいは、乳白色の李朝磁器の精霊のよう!
(google search)
乳白色といえば…
snowdropとしたことが、冷蔵庫の牛乳の賞味期限が過ぎてしまいました。
捨てるのは、食品ロスと環境汚染の面で、二重に気が進みません。
ミルク風呂にするのは優雅そうですが、お掃除が大変かも…
とりあえずホワイトソースをこさえましたが、牛乳が多すぎてスープ風。
五輪の開催地イタリアにちなんで、カルボナーラに変身させましょう!



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by snowdrop-uta
| 2026-02-23 12:23
| 四季の食卓(table)
2026年 02月 18日
五輪の蝶々パスタ 🦋 farfalle con cime di rapa

2026年2月(奈良)
パリで使っていたエコバッグ、いつものお店で使うとプチ旅気分。
ふだん三月下旬まで手を出さない苺も、つい選んでしまいました。
冬と春の野菜と果物、三寒四温のお買い物。
2025年4月(パリ)
久々にファルファッレ(蝶々形パスタ)を入手、菜の花パスタをこさえました。
「ファルファッレ・コン・チーメ・ディ・ラーパ(farfalle con cime di rapa)」
イタリアのチャラ男めきたる名前かなチーマ・ディ・ラーパは菜の花のこと
come
un nome del tamarro?
”Cima di rapa”
(italiano) significa
Brassica rapa
もう飛ぶまいぞこのてふてふ五輪の花の挿頭(かざし)と化して
(Le Nozze di Figaro)


窓の結露がビーズやスパンコールに見えてきたら、かなり重症です…
よ~く見たら、蝶々ではなく花簪かもしれません。
朱い珊瑚がオリエンタルですね。

古楽のおまけ * Bonus
エピクロスは高らかに叫ぶ
「台所は我らの神殿!胃袋の鳴き声は神のお告げ!」
ネージュのくりやも神殿?あ、ラテン語なら
ネージュ(仏語)ではなくてニクスですね。
なんだか妖精みたい?
(All Rights Reserved)
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by snowdrop-uta
| 2026-02-18 17:18
| 四季の食卓(table)
2026年 02月 10日
雪中奏楽当番(間奏曲)*on organ duty on a snowy day



オルガンをひとり奏でる雪の午後父母の気配す納骨堂より
in the snowy afternoon
when I was playing the organ
alone,
I felt my diseased parents
from the columbarium
足鍵盤の譜面に書きこむ鉛筆へ納骨堂の方よりひかり
丘の上の教会からの帰りみち坂の上なる投票場へ

次の世代の平和を祈りつつ(歌友の言葉)
おまけ ❄ Bonus
わたくし、を、氷の、オフ、トゥン、チャペル、にて、眠ら、せ、たま、へ、いくさ、終ら、ず
Let me, let me,
let me freeze again,
in beds of snow,
O-futon Chapel!
wars are, NOT over YET
(All Rights Reserved)
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by snowdrop-uta
| 2026-02-10 08:10
| 大阪兵庫めぐり(Osaka, Kobe)














